ウッドショックの急襲 !④
2021/07/29
ウッドショックの急襲 !④
過去2度の木材高騰とどう違うのか
今回の木材高騰は「第3次ウッドショック」と呼ばれる。
過去2度のウッドショックと異なるのは、木材の需要側に端を発している点だ。
第1次ウッドショックが発生したのは1992年~93年。発端は環境問題だった。絶滅危惧種の動物を保護するため、米国は国有林や州有林の伐採規制を講じた。
同時期にカナダでも原木に過伐調整が行われた事で、木材供給量が激減した。
ただし当時は超円滑基調が行われていたため、為替相場で高騰分のおおくは吸収された。
円高で新規国から輸入木材を仕入れることも可能だったため、国内での木材高騰は限定的だった。
第2次ウッドショックは2006年にインドネシア政府が伐採規制を急に強化したことに主因がある。東南アジアからの南洋材の中でも丸太が高騰し、合板業界が悲鳴を上げた。
日本はこれを教訓に、構造用合板の国産化を進めた経緯がある。
第1次、第2次とmに供給側に端を発生していたのに対し、第3次ウッドショックは新型コロナウイルス感染拡大を背景とした米国の住宅需要の盛り上がりが主因。
かつコンテナ不足やカナダの伐採量減少、中国とオーストラリアの関係悪化など複数の要因が絡み合う。
これまでになかった「需要側からのウッドショック」という特異性が先行きの見方を難しくさせている。