ドイツで進む3Dプリンター活用
2021/08/02
ドイツで進む3Dプリンター活用
世界各国で技術開発がすすむ建築用3Dプリンター。
ドイツに本社を置くPERIは、わずか8日で2階建て住宅を「印刷」する。
様々な企業と協力してプリンターや材料の開発、材料試験などを進めた結果だ
デザインの自由度向上、省人・省資源化、工期短縮――。秘めた潜在能力から、建設業界で注目を浴びている3Dプリンター技術。
海外ではすでに住宅や橋などを3Dプリンターで「印刷」している例が多数あり、実用の可能性を大きく広げている。
ドイツ南部のヴァイセンホルンに本社を置き、日本を含めて世界60ヶ国以上に支社をかませる建設会社PERIは、3Dプリンター技術の開発に積極的に取り組んでいる企業のひとつだ。
2015年ごろから技術開発を進めてきた同社は20年、ドイツ西部に位置する都市ベックムで、同国初となる3Dプリンターを活用した住宅建設に着工したと発表した。
同社が建設する住宅は2階建てで、延べ面積約160㎡。
3Dプリンターふぁ吐出する厚さ2㎝、幅5㎝のコンクリート層を、高さ6.5mまで幾重にも積み重ねる。
目を見張るのはその施工スピード。
同社の3Dプリンターは、建物の躯体を工事わずか8日で完成させた。
施工現場に常駐した作業員は3Dプリンターの動作を確認する2人のみ。
建設費は同規模の住宅を従来工法で建設する場合と同程度だった。
プロジェクトの責任者を務めるPERIのFabian Meyer-Brötz氏は「初の試みだったにもかかわらず工期短縮、省人化の効果を確認出来た。実績を重ねれば、施工期間はもっと短縮できる」と自信を見せる。